心がぽっきり折れてしまった人へ!立ち直るための道標、ドリフターズ・リスト案をつくってみた。
こんにちは。村上とうふです。今日はちょっと気分がいい。
さてさて、仕事を辞めてしまった、心が折れてボロボロ状態。そんなわたしのメンタルが、自然に前向きになる第1歩目をくれたのは、宮下奈都さんの小説『太陽のパスタ、豆のスープ』でした。
(宮下奈都さんと出会った経緯についてはこちらに書いてます)
chi-cooks-everyday.hatenablog.com
『太陽のパスタ、豆のスープ』。
物語は、主人公・明日羽(あすわ)が、結婚まであと2ヶ月というところで、婚約者・譲(ゆずる)さんから突然婚約破棄を告げられるところからはじまる。怒りとか悲しみとか、以前。驚きと戸惑いとそれから恐怖に近いような感情が、ぐちゃぐちゃに混じって塊になり、それが喉から転がりでて譲さんの目の前で弾けそう、だけど、どうした方がいいとか、考える余裕もなく、混乱したまま口を閉ざして。
一人で泣いて泣いて泣いて、意地もあって、何があったか家族にも友人にも素直に話せなくて、甘えられない。そんな明日羽に、無遠慮にずかずかと踏み入ってくる、自由人な叔母・六花(ロッカ)さん。放っておいてくれるわけでもなく、心配するわけでもなく、全く興味のない様子でいつもどおり話しかけてくるのロッカさんに、明日羽はイライラするのだけれど、そんなロッカさんだから、そのイライラを、素直にぶつけることができるのだ。
そのロッカさんが、落ち込み荒んでいる明日羽に言う。
「ともかく、リストよ」 「あすわの、明日へのリスト」
どういうことかというと。
「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん」
「ロッカさんが叶えてくれるの?」
「なわけないじゃん。あすわが自分でそれをこれからひとつずつ叶えていくんだよ」
これを読んでいるあなた、なーんだ、そんなこと、って思ったでしょう。うふふ、わたしも読んでるとき、思った。
そしてそれは明日羽も同じだった。だからもうちょっとだけ辛抱して聞いてほしい。
ちょっとだけ気持ちが動きそうになっていた私は再びベッドに倒れこむ。
「……お願い、ひとりにして」
「え、ああ、ひとりになりたいのね」
ロッカさんはさっきの雑誌を裏表紙からめくり、美容整形のの広告を一枚ちぎって、書くもの、と言う。
「どこ、ボールペンとか鉛筆とか」
ベッドに突っ伏したまま指で机の方をさすと、ロッカさんは立っていって鉛筆立てからボールペンを一本取った。
「ええと、あすわ、ドリフターズ・リスト。その一、ひとりになりたい」
「ロッカさん、その、ドリフターズって何」
「漂流者って意味よ。ムーンリバーっていう歌に出てくるの。安心して、カトちゃんとか志村とか関係ないから」
「そんな心配してないよ」
「長さんもブーも関係ないから」
「だから心配してないって」
「あと」
「そう、関係ない。漂流する者たちの指針になるリストなんだから」
やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいものをなんでも書き出してみる。
それをひとつずつ、自分で叶えてあげていく。
要は、自分が行きたい方向を指し示してくれるコンパスを、自分でつくって、自分の足でその方向に向かって、すこーしずつ、踏み出していく。こういう、単純で、穏やかなことこそ、自分を助けてくれるんだとわたしは思うのです。
そうだ、ドリフターズ・リストをつくってみよう。
どこにも行けないと思っているときは、どうすればいいんだっけ。――紙に書き出したじゃないか。どこへ歩いていけばいいのか、何をすればいいのか。ドリフターズ・リストだ。こういうときこそ、あのリストの出番なのだ。
というわけで、もしあなたが、心がぽっきり折れてしまったというならば。
何から手をつけていいやら、どうしたらここから抜け出せるのか(そもそも本当に、抜け出せるときが来るのか?)、不安でいっぱいかもしれませんが、だったら一緒に、ドリフターズ・リストをつくるところからはじめてみませんか!!!!
やり方は簡単。
自分のやりたいこと・楽しそうなこと・ほしいものを自由になんでも書き出してみる。
それだけ。ドリフターズ・リストに、ルールはないのだから!
とはいってもですね、わたしのような人には、“自由にのびのび”楽しむためにも、アドバイスはあったほうがいいと思うのでちょっとだけ書きますね。
- 自由に書く。書く内容は、自由です。別に、高尚なことでなくてもいいと思いますし、高尚なことを書いてもいいと思う。「●●の資格を取る」でもいいし、「八景島シーパラダイスにイロワケイルカを見に行く」でもいいし、「何も考えずにぼーっとする」「海に向かって思いっきりバカヤロー!って叫ぶ」でもいいと思う。
- 綺麗に書く必要もありません。あえていうなら、思い立ったらすぐ書けるというほうがいいと思う。わたしの場合はスマホのメモに書いてる。(文庫本のあとがきには、手書きのほうがいい!って書いてあったけど、わたしは別にどうでもいいなと思うので)
- それから、書いたこと、ぜーんぶ叶えなきゃいけないなんてことはありません。それに縛られる必要はないんです、だって、そのリストはあなたを元気にするためだけにあるんだから。一度書いて、でも違うなって思ったら消してもいいと思う。「やってみようかな」と思うことから、やってみればいいのです。売上目標!とか、ノルマ!とかではないのです。自由に楽しんだらいいのです。
こんな感じ!
とはいえね、心がぽっきり折れているとき、やりたいこと、楽しそうなことがすらすら思い浮かぶとは限らないんじゃないかと思うのです。わたしもお医者さんから、「趣味とか、楽しいって思うことはなんですか?」って言われて考え込んでしまったもの。物語の中で明日羽も言っているように、「失意のうちにある人間は」「やりたいことなんてひとつもありはしない」んだと思います。
だから、そんな人のため、あるいは自分がまたいつそんな状況になったときでも、少しでも早く元気になれるよう、ドリフターズ・リスト(案)をつくってみましたー!!
あくまで、「案」なので、上のアドバイスにも書いたように、その通りにする必要はどこにもなくて。むしろ、この案をさらっと見てみて、「あ、これちょっと楽しそうかも」って思ったのを、いくつかピックアップして自分のリストをつくってみてもいいかもしれない。ようは、立ち直るための道具、自分にとってのドリフターズ・リストをつくるための、足がかり的に使ってもらえたらいいなあと思う。
1番は将来の自分のためなんだけど、それが、もしもし万が一、人の役に立てたら、超嬉しい。そういう気持ちで書いていくぜ!!
村上とうふのドリフターズ・リスト案!(※思いついたら随時更新予定)
・とにかく眠る
・何もせず、1日中ぼーっと過ごす自分を許してあげる
・しんどかったり、どこか本調子になれないなら、病院に行ってみる
・病院にいって、何も悪いところが見つからないなら、自律神経失調症について調べる
・整体に行く、できれば自律神経系の整体に行く
・仕事や学校を休む。遠慮なく、休職を利用する
・ちょっと、頑張った自分を褒めてあげる(ベッドから起き上がったとか、ちゃんとご飯食べたとか、ちゃんと休みたいって連絡できたとか)
・ちゃんと休んだ自分も褒めてあげる
・実家に帰る
・おじいちゃん・おばあちゃん家に行く
・好きな人、一緒にいて安心できる人に会いにいく(恋人、お世辞や社交辞令を言わない穏やかな友達)
・野菜と果物とお肉と魚とおいしいごはんを食べる
・ラジオ体操をする
・カーテンを開けて朝日を浴びる
・海を見に行く
・川べりを散歩する
・youtubeで調べてヨガに挑戦する
・運動が好きなら、走ったりしてみる
・だらだらいろんな人の、面白いなと思うブログを読む
・素敵だなと思った言葉をメモしてみる
・音楽を聴く(自分にとっての懐メロとか、テンションの上がる曲とか、あるいはオルゴールとか)
・ノンカフェインの紅茶を飲む(コーヒーが好きな人は、コーヒーでも)
・本を読む(わたしのおすすめは、宮下奈都さん。短い文章から楽しめるエッセー集『はじめからその話をすればよかった』か、小説『太陽のパスタ、豆のスープ』)
・顔パックをする
・アロマやお香を炊いてみる
・エステに行く
・脱毛をする
・うなぎを食べる
・悪口を言う すぐ思いつかなくても、とりあえず悪口を言おうとしてみる
・旅行に行く(海や川や森や島、とにかく自然の多いところがいいな。あるいはあったかくて穏やかなところ。あるいは空の広いところ。)
・占いをやってみる、占い師の人と話してみる
・野良猫に癒される(旅行に行くって書いて思い出した、猫島はおすすめです)
・炎を見る(花火とか、ろうそくとか)
・このままではちょっと休まらないなあと思うなら、いっそ、会社を辞める
・引越しをする
・料理をつくって、誰かに食べてもらう
・掃除をする できるところからする
・文章を書く あるいは絵を描く(わたしはできないけど楽器を弾くとかなんでもいいよ)
・ブログをつくる
最後に
焦って立ち直らなくていいよ。
立ち止まって。座って。布団に入って。とりあえず眠って。いつ起き上がるとか、決めないで。目覚ましも書けなくていいから。そのうちおなかがすいたり、つまらないな、なにかしようかなって思うまで、寝てて。
それで、おなかがすいたらごはんを食べて。つまらないなら、何かやってみて。そんな元気もないとか、わたしがそうだったけど、疲れているのになぜか眠れないっていうときは、ぜひ、本を読んでみて。できれば、意識の高くない、等身大の、小説かエッセーを。
おいしいごはんと文章が、あなたを救ってくれる。それは、間違いのないことよ。