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とうふのホルモン

ホルモンのままに。主成分はエッセイ。

意味なんかないさ 暮らしがあるだけ【時々書きたくなるエッセイのようなもの】

エッセイのようなもの

世の中のご多分に漏れず、わたしもドラマ『逃げ恥』にハマっている。


【公式】再生回数7500万超!!「恋ダンス」フルver.+最終回予告 12/20(火)『逃げるは恥だが役に立つ』最終回【TBS】

 

もともと「ドラマなんて…」と斜に構えていたタイプだったのだけれど、ドラマを見るのは2クール連続だ(前回は『家売るオンナ』だった)。来週がいよいよ最終回。あの世界が終わってしまうのが悲しい。最終回なんて来なけりゃいいのに!

ここまでどっぷりハマってみて思うのは、一週間にこういう「楽しみで仕方がない」ルーティンがあるっていうのはなかなかハッピーなことだなあということ。幸せとまでは言わない、もっと気軽で弾むような感じ。

しかも、それを――待つ時間のわくわくも、見る時間の興奮も、――リアルタイムで夫と共有しているというのも、いいなあと思う。

さて、これまたきっとご多分に漏れずでしょう、『逃げ恥』ヒロイン役・新垣結衣はもちろんのこと、準主役(むしろ、真の主役?)星野源にもハマっている。

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(イケメン!ってわけじゃないけど、なんかいい。かっこいい。)

 

さらに、最近バイトを増やしたことで、電車に乗る時間がぐっと増えた。それで本を読む時間もまたぐっと増えた。それでこの前、空き時間に本屋さんに寄ったとき、ふとミーハー心がくすぐられ、星野源のエッセイを手にとったのだ。

そして生活はつづく (文春文庫)

そして生活はつづく (文春文庫)

 

 

ぱらっとめくって最初の話が、「公共料金や携帯電話の料金がいつまでも払えない」って話だったから、ぶふぉっと吹き出して(本屋さんだし、おとなだから、ちゃんと小さめに)即購入、即読んだ。

 

いわゆる文豪とか、筆だけで食べていくほどの、正統派の文才があるわけではないと思う。どちらかというと、軽快なブロガーの文章を読んでいるような、そんな軽い読み口が心地いい。それでいて、着眼点は鋭くて鮮やかに現実を切り取ってくれているから、ハッとさせられる。ほんと悔しいけど、かなわないなあ。

 

中でも、1番ハッとさせられた部分がある。

 

人は生まれてから死ぬまでずっと生活の中にいる。赤ちゃんとして生まれてから、やがて年老いて死ぬまで生活から逃れることはできない。

 

「ああ、そうか!」と思った。

「豊かな暮らし」とか、「シンプルライフ」とか「アーバンライフ」とか、あるいは「穏やかな生活」とか、、、「生活」って言うと、なんだかんだいろいろおしゃれに言うけど、ホントのところの生活って、全然そうじゃないんじゃないか。

毎日あっという間におなかはすくから、そのたび食事の用意をしないといけないし。食べ終わったらその後食器を洗わないと、次の食事を作れない。洗濯をしないと、臭い服や靴下が重なって山になり、着れるものはどんどんなくなっていく。いつの間にかホコリはそこここにたまっているし、知らず知らずのうち机の上にモノが積み重なっている。

別に、生活したくてしているわけじゃない。いずれにせよ、生きる上では誰も、生活からは逃れられないのだ。そりゃ、ミニマリストとかなんとか、生活をあえておしゃれに楽しんでいる人もいるんだろうけれど、でも少なくともわたしにとって生活とは、なるほど確かにそういうものだなあ。

全ての人に平等に課せられているものは、いずれ訪れる「死」と、それまで延々とつづく「生活」だけなのである。

 

そういう、それまで気付かなかった自分にとっての「当たり前」を、「なるほどそうだ!」って自覚させてくれる文章がとても好きだ。わたしはこれ以上、何も新しいことを言えないのが、とても悔しい。

そんなふうに大したことを言えるわけでもなく、ただただ平々凡々と――いやむしろ、「普通」から転落しながらも、しょうがなし、わたしはつづくのだ。慰みに、本を読んだりドラマを見たりしながら。

 

似た趣旨で、谷川俊太郎の「青年という獣」という題のエッセイもとてつもなくよかった。 

文庫 一時停止 自選散文1955-2010 (草思社文庫)

文庫 一時停止 自選散文1955-2010 (草思社文庫)