とうふのホルモン

ホルモンのままに。主成分はエッセイ。

凡人だけど、東大のメリットを考えてみたよ。

とうふです。

「無為な批判なんてクソや!もっと言い方ってもんがあるやろ!」などと言っていたこともありました。

 

 

・・・

 

1年余計に東大通った身としては、これだけの理由で「東大つまらん!」何て言うのは早計だなあと思う。だったらネットビジネスのために東大ブランド利用するなよ、カッコ悪い。 - nomatterxxx のコメント / はてなブックマーク

 

 

 

…やってしまいました。orz

fukku.hatenablog.jp

ついつい、感情のままに言葉をぶつけてしまった。どうしようもなく、彼のこの記事に心を動かされてしまったのだ。悪いなとは思ってる。「この程度でメンタル削られるかよ!」と思ってるかもしれないけど、言いたいので言っておく。正直すまんかった…。

 

彼の気持ちはわかる。わたしも、「なんでわたし東大なんか来たんや」と何度も思ったし、いろんな社会人や早慶、あるいは東大と交流のある女子大・美大なんかの学生と話したりするにつけ、「東大よりずっとおもしろいやん!」と、思っていた時期もあった。

それに、豆腐メンタルなわたしからすれば、そういうネガティブな感情を、包み隠さず打ち明けられるっていうのはすごいことだと思う。

 

でもやっぱり、いくらブログを始めたばかりとは言え、一発信者として、これだけの情報で「東大はつまらない」って断定してしまうのはどうなんだろう?と思う。

あとは単純に、彼の記事に触発されてしまった。

ので、コンプレックスに泣いたり就活につまずいたり単位に喘いだりしつつ、留年してトータル5年、東大にいた凡人として、東大のことを弁護してみた。ただし「東大よりハーバードの方がよくね?」とかそういう次元の話ではないのでそこはご堪忍。勝手に早慶あたりとの比較を前提にしてるよ。

 

目次

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凡人的、東大のメリット!

1.学費が安い

まずコスパの話からになってしまってごめん。でもな、地方の庶民家庭出身のわたしからすると、これがでかい。

 

参考までに、こんな感じ。

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※東大は2016年度、早稲田は2017年度、慶応は2016年度(各ホームページより)

※慶応はこれにプラスして「在籍基本料」「施設設備費」がかかるのと、早稲田も諸経費がかかる。

 

「滑り止めで早慶?どうしても受けたいなら受けてもいいけどうちは学費は出さないよ?予備校代も出せないけど宅浪なら許す」って家庭の方針だったから、自分で必死こいてお金稼いで早慶に行くか?というとそこまでのあれもなかったので、早慶は受けなかった。合格点+3点で合格だった。危ない。

 十分にお金があるご家庭だとしても、半額近い値段でほぼ同じような恩恵を受けれるんだったら、そりゃ安いほうがいいよね!

 

2.周りの目を気にしなくていいからラク

これ!!!でかかった。

大学生って私服で通うじゃない?チェックシャツばっか着てるとださいとかさ。女の子だったら、化粧するのが当たり前、とかさ。高校生までさ、みんな同じ制服で化粧だって別にたいしてしてなかったじゃんなんなんだ!(怒)

東大は、この点ラクだった。いろーんな人がいる。すげーおしゃれな感じの人もいれば、和服に高下駄で通う人もいる。冬でもタンクトップの人もいる。全身ユニクロの人もいる。それに対して、別に誰も何も言わない。各々、自分が着たい服を着てるだけだから。(※「誰も」は過言かもしれん。)

無論、ファッションだけじゃない。「人間にすごく興味があって、文系的なアプローチから攻めるか、理系的なアプローチをとるか迷う」って女の子とか。駒場東大前の駅のホームで突然エアーピアノ弾き始める人とか。ひたすら愛とはなんぞやって考え続ける人とか(これはわたし)。そういう人を、そりゃ変だなって思わないわけじゃないけど、でも「それはそれでありだよねー」って受け入れてくれる空気感がある。ゆるふわ。

 

これはしかし、わたしがネクラ過ぎていわゆるキラキラ系大学生に嫉妬して変な偏見を持ってるだけかもしれん。あとは個人的にどっちかというと目立ちたがる変人よりも静かな変人が好きというのもあるかもしれん。でも少なくとも、東大には、周りの目を気にせず、自分の好きなようにしている人たちがいっぱいいて気がラクだった。彼らに(嫉妬しつつも)たくさん勇気づけられた。「自分のしたいようにすればいいんだ」って。

 

3.面白い人に出会いやすい

例の記事を書いた彼は、「成績上位0.5%の世界だからといって、別に知的な奴がいるわけでもなければ、多様性もない」的なことを言ってる。確かに、だいぶ偏りのある空間だというのは認める。高卒ですぐ働いたり結婚したりちょっとオイタして捕まっちゃったりあるいは家のため堅実に地元の大学にいく子達がいたり…そういう地元とは、大きくカラーが違うなって思う。

 

それでも、やっぱり東大にいると、いろんな面白い人に会いやすいな、と思う。

女の特権かもしれないけど、わたしは一時、新橋の立ち飲み屋さんに入り浸ってサラリーマンのオジサマたちにずいぶん可愛がっていただいた(性的な意味ではない)。それは、わたしが「東大の女の子」だからというのは、少なからずあったんじゃないかなと思っている(この場合、女子大生がひとりで新橋の立ち飲み屋さんに来るだけでも可愛がってもらえそうだけど)。

「こんな人に会いたいなー」って思ったら気軽に会いに行けちゃうのは大学生の特権だけど、わたしたちはその上、「東大」ってブランドの力も利用できる。

これは、しょうがない。だって人は、なんの属性もない人が「●●してます」っていうより、「東大生だけど●●してます」ってだけでなんかおもしろそう!と思ってしまうもんなんだ。

だから、「東大生だから」、「お願い」を聞いてくれたり、おもしろがっていろんな話をしてくれたりすることも多いと思う。

彼は八木さんに弟子入りしてるらしいけど、それって八木さんからしてみれば「東大生もいるよ!」なんてハク付けにもなると思う(それを享受するにせよしないにせよ)。ブログ書くにしても「大学生のブログ」じゃなくて「東大生のブログ」って書くほうが、いろんな人が興味を持ってくれるからそうしてるんでしょ?わたしもそういうゲスな思惑もあってこれを書いてるよ。ぐへへ。

あとは、なぜか東大に出入りしてる女子大の子とか、美大の子とか、超おもしろい子率高い気がする。他大の面白い子が東大に来てくれるんだとしたら、下手にその大学行くよりも知り合いになれる確率あがりそう。それもメリットだなあと思う。

 

あと、そもそも「偏りのない空間なんてなくない?」とは思う。どのコミュニティにも、どうしたってある程度偏りって出てきちゃうじゃない。偏ってる側面を見るか、多様な側面を見るか、目の付け所によっても違ってくるよねえ。そういう意味では、東大生はすっごく多様でおもしろかったよ。1年生のこの時期なんて、まだまだ受験からの開放感だけでも楽しめるようなときじゃない。これからどんどん化けてくるよ。お楽しみに。

 

4.大体の学問を学べる環境が整っている

これは自分の専門外のことはあんまり詳しくは知らないのだけれど。理系の研究設備とかやばいんじゃない?学部・学科の数って、相当なものだろうし、教授だってその分野の面白い人がいることが多いでしょ。図書館も日本国内で言えばすごく充実してるはず。

しかも「進振り」(※2年の夏に学部学科を選択するシステム)があるから、多様な選択肢の中から、実際にいろんなものに触れてから、自分がおもしろそうって思ったやつを選ぶことができる。

それでいてしかも学費が安い(二度目)。最高かよ!

 

 

東大のよくないところ

ここまで褒めちぎってきたけど、「これはデメリットだな」と思うところも書いておく。

 

1.「進振り」が受験勉強の延長になりがち

彼も「進振りはクソ」っていうのを書いてたね。「興味のない授業を取らなきゃいけない」って言ってたけど、それよりやだなあって思うのは、成績によって行ける学部学科が絞られちゃうとこ。

さっきも書いたように、「進振り」は、「入学前に選択肢を狭めずに、いろんな学問に触れてから専攻を選べるよ!」というふうに説明される。しかし現実には、多くの人が志望する人気学部もあれば、そうではない学部も出てくる。1つの学部が受け入れ可能な人数にも限りがある、そうなると、人気学部はどうしたってそれまでの学業成績がいい順に、受け入れていく形になる。これが1番フェアな形なんだろうな、と思う。

しかし、そうすると、たとえば東大に来たものの、もう行きたい学部は決まってるんだ!というような人は、もし自分の行きたいところが例年高い成績を求められるところだとしたら、頑張って試験で点数を稼がないといけない。ほかの教科で「塗り替え」の効かない必修授業は、特に頑張らないといけない。これが、彼も言うところの、「受験勉強の延長」っぽくなってしまうところだ。

わたしの友人にもこのシステムの被害者はいた。ほかの科目はずば抜けてできるのに、語学(必修のうち多くを占める)が果てしなく苦手で、行きたいところの点数に届かず行けなかった人とか、必修の英語の抽選に外れてアホみたいに授業がつまらない上に厳しい先生にあたってしまった人とか。もっといい形があればいいのに、とは思う(けどわたしには思いつかないモニョモニョ)。

 

しかしいろんな学問に触れられるっていうのは、教養としていろんな視点を身に付けるという意味でも、あるいは研究者の道を進むにしても、いいことだなあと思う。だから、「進路が定まっている人は東大を目指さないほうがいい」って彼は言うけど、それは違うっしょ、とわたしは言いたい。

まあ、わたしは自分がつまらんと思った授業はサボりまくってたけどね。まあ、自分が何を面白いと感じるかは、かじってみないとわからんじゃん?!HAHAHA。

 

それに、別に東大じゃなくてもよくわからん必修あったり、ゼミの抽選とかあったりするしね。やる気ない教授もいるしね。東大は理想郷ではない。ある程度はしゃーないよ。

 

2.女の子が少ない

多様性!!!!!

女子率は約2割。特に女子の少ない理系クラスだと、1クラスに2人とか、あるいは0ってクラスもあったなあ(今もかな)。東大も頑張って増やそうとしているようだ。わたしも地元の高校で女子学生向けの説明会なるものをやるバイトとかやってた。頑張って。

 

3.ウェイウェイしてる人が少ない

多様性!!!!!!!!!(いや逆に、多様ゆえに…?)

まあ、ウェイウェイかどうかは別として、わたし含めとことん考えることが好きな人が多いから、行動に移すとか、手を動かして作ってみるとか、そういうことをしてる人が少ないなあとは思う。慶応のSFCとか、美大とか、こういう部分でおもろい人が多いよね!考えるのと行動するのを、両方同時進行でやれたらよかったな、というのはわたしも反省してるところだ。

その点、彼はいいよなあって思う。周りを巻き込んでもっとおもしろくしたってよ!

ちなみに、外での実体験をすればこそ、授業もおもしろくなってきたりする、とわたしは思う。まあ、「これ本読めばそれでよくねえ?!」みたいな無意味な授業は確かにあるけどさ。南無。

 

4.コンプレックスに苦しみやすい

「東大生だからすごい」なんてことはない。だって、ただ受験っていうシステムをうまく乗りこなせさせすれば入れるんだから。

とはいえ、ほかのコミュニティと比べて、「こいつ頭いいな」とか「こいつすげーな」って思わせてくるヤツの率は、比較的高いんじゃないかなあ。

そうなると、凡人が陥りがちなのは、自我の崩壊、プライドの崩壊だ。わたしは大学生活のほとんどをこれにやられてました。「東大ってすげー」って下手に思ってれば思ってるほど、たいしたことない取り柄のない自分とのギャップにやられるんですよね。ほんと、そんなの気にしなくていいのにって今となっては思うけどね。

とはいえ、そうやって苦しみぬいて、「自分ってなんだ!」って考え抜くことの楽しさはある!と思う(マゾ)。

 

最後に

東大に受かれば薔薇色のキャンパスライフが・・・などと考えていると大変な目にあいますよ。

 

これはほんとにそうだ!

わたしは、凡人ゆえに、「東大ってすげー!」って思ってたし、「東大に行けさえすれば、なんでもできんじゃね?だって東大生だよ?!」みたいなことを、無意識に思っていた。でも、それは違うんだよね。確かに東大はすごいんだけど、それは大学がすごいんであって、「東大に受かったお前がすごい」わけではないんだよなあ。変に期待するから、「東大はつまらない」なんて思うんさー。

 

あとは、別に東大だけじゃなくてさ、大学生活って、ただ待ってれば面白いものが降って湧いてくるわけじゃないよ。たくさんの選択肢がある分、自分でそこから選び出して行動しなくちゃいけない。少なくとも、大学に行くって選択をしたのは自分だろ?大学生活がつまらないとか愚痴って、それを大学のせいにしてる暇があるなら、自分で面白くしなよ。選択肢なんて無限に転がってるよ。選択肢がわからない・知らない・見えないならば、いろんな人に相談してみたらいいんじゃないかい。

 

あれ、何が言いたかったんだろう。まとまらなくなってきた。

とりあえず、別にバラ色じゃなくても、楽しけりゃおっけーじゃないですか?苦しいけど、凡人でも東大は刺激的で楽しかったよー!おわり!