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とうふのホルモン

ホルモンのままに。主成分はエッセイ。

入社して1年、会社辞めました。

自己紹介 近況

就職活動に迷走して、大学生活を1年延長。

その末で出会って一目惚れした会社。先日、退職して、寮を引き払ってきました。

 

ぶっちゃけ、ただの逃げです。

いわゆる「ブラック企業」ではありませんでした。繁忙期は休みが少なかったけれど、わたしなんかより課長や先輩の方がずっと少ない休みで働いていたし、「みなし残業」ながらも連日遅くまで働いたこともあったけど、世間で激務といわれるような業界からしてみれば、ちゃんと常識的な時間に帰っていた。社長からパートのおばちゃん、ビル管理のおじさんまで、尊敬できる人ばかりだった。最悪な上司もいない。それどころか、上司はわたしがやりたいことを理解してくれていて、わくわくする仕事をたくさん振ってくれた。どんな仕事にもきちんと意味があった。日々やりがいを感じて楽しかった。社会に出る前に想像していたような理不尽なことは、何一つとして!なかった。

 

ただ、1年目の終わり、自分でも驚くような、ありえない失敗をした。それも、一度や二度の失敗ではない。立て続けに何度も何度も同じ失敗をした。いや、失敗をしたというよりもはや、その数日間、主体的に動くどころか、与えられたことすらまともに仕事として遂行していることのほうが少なかった。

それまで、同期の中でも自分は仕事を頑張ってる方だと思っていた。1年目にしては大きな仕事も任せてもらえていて、その期待に応えることにやりがいも感じていた。苦手なこと、まだまだ至らない部分もあるけど、いいぞ。この調子で頑張るぞ。

そういうプライドが、たったの数日でぼろっぼろに跡形もなく崩れ去った。数日たって、それまで自分がどうやって働いていたのか、全く思い出せなくなっていた。

 

2年目になったばかりのある日、朝目が覚めたらめまいがした。熱はないと感覚でわかっていたけれど、「どうか、熱がありますように…!」と一縷の望みをかけて熱を測ってみた。案の定36.3℃。「ほら、休む理由なんてない。会社に行かなくちゃ」。

休む理由なんてない。なのに、今この瞬間体を起こすくらいならば、「会社を休みます」って電話をかけたいと、強く強く思ってしまう。

「でもね、わかってる、そう思うのは、わたしがあんな失敗をしてしまって、恥ずかしいからなんだ、恥ずかしいなんて思う暇があったら、前向きに仕事に取り組んで、一歩一歩、前進していけばいいんだ」。今休んだら、それはただの「サボリ」なのだ。

身支度に時間がかかって、いつもの時間よりちょっと遅めに部屋を出た。寮の玄関で靴を履こうとしていたら、ちょうど、同じチームの先輩も出るところだった。「おはよー!村上ちゃん、今日も元気?」って言われた瞬間。泣いてしまった。ぷつん、とそれまで必死で自分を保ってた何かが切れてしまった。「これで会社に行ったって、まともに仕事にならない」って、そこではじめて気づいた。

 

そうして、そこから数日仕事を休んだ。2.3日して、「繁忙期に休ませてもらったのだから、その分頑張って報いたい!」と復帰したが、でもやっぱり無理で、一旦2週間ほど休職させてもらった。休職あけ、別の部門で「リハビリ」しながら復帰していく道を用意してもらった。けどそれでもだめで、もう一度、休職した。その間、休んだ分よくなるどころか、どんどん新たに不調があらわになっていって、そのことに罪悪感を感じて、無駄だとわかっていても自分を責めるのを止められなかった。会社の誰も、わたしを責めたりしない、むしろ、心配して「大丈夫?」「無理しないでね」って声をかけてくれる人すらいた。だけどわたしは、ひとえに、自分の罪悪感と変なプライドに押しつぶされていた。「このまま休んでいて、よくなるのか?」わからなくなって、休み始めて1ヶ月、会社を辞めることにした。

 

そう当時、わたしのチームは、繁忙期真っ只中だった。

なのに、こんな誰もわたしを責めなかった。誰ひとりとして嫌な顔ひとつ、見せなかったどころか、去り際も「ゆっくり休んでね」「なにも考えなくていいからね」「できることがあったら、なんでもするから言ってね」そんな言葉をくれる人が何人も、いた。

本当に、わたしにはもったいないくらい、完璧に優しい会社だった。

 

これはだから、逃げなのだ。

恵まれた環境にいて、それでも苦しいのだから、自分以外誰も、責めようがないのだ。

 

逃げるところからはじめる。

休んでいる間、いろんな人に会った。ブログなんかを読んで、病院にも行った。早く元気になって、働いて、もっとわくわくすることに挑戦したかった。

それから、日がな一日、ベッドの上でやることもない日には、考えて考えて考えていた。(「今はなにも考えないほうがいい」って言ってくれる人もいたけれど、考えることを止められなかったし、わたしの場合は考えるのは好きだったので自分としては苦じゃなかった、と思っている。)

 

今後どうしていいのかわからなかったけれど、なんとなく「決めるのはわたしだ」「わたしがどうしたいかはわたしが決めたい」というのはわかっていた。

 

そして、決めた。

逃げよう。ここにいても、休まらないなら、前に進まないならば、逃げよう。

「逃げちゃだめだ」って、思い込んでいる自分からまず、捨てて変えていこう。

まずはふりだしに戻ること。

後退に見えるという人がいたとしても、長い目で見て、自分を生き直す最初の1歩だ。

誰がなんと言おうと、そうなのだ!

 

それが1番わたしらしい答えな気がするから、「これで、いいのだ!」