とうふのホルモン

ホルモンのままに。主成分はエッセイ。

みつけたみつけた、秋【短歌というおもちゃ】

都心のひとり暮らしの3首

ワンルーム笑い声がこだまする バラエティを観ても一人

…「咳をしても一人」になぞらえて!ひとり暮しをはじめて最初に驚いたのが、ひとりだと家がこんなに静かなのか、ということ。長女のわたしはいつも、チャンネル争いは棄権して弟たちに委ねていたので、どのチャンネルで我が家のいつもの番組が見られるかもあまりわからず。クイズ番組やバラエティが夕飯どきの定番だったのですが、ひとりで笑えばより一層、静かさが際立つものでした。平気な人もいるだろうけど、わたしはもう、ひとりは懲り懲りだな…。

 

○惜しみつつ別れを告げるブックオフ 吾(あ)が血となりぬる本を束ねて

…部屋数も多く収納も充実していた田舎に対し、学生時代住んでいたのは7畳ほどのワンルーム。ひとり暮しで次に気づいたのは、ものを買うと部屋にものが増えていくんだという、当たり前の事実でした…。昔から本だけは、惜しまず買ってもらえていたから欲しかったら買うのは当たり前で。あっという間に本棚があふれて。実際ブックオフに売ったのは、本棚の前に本が積み重なって、本棚の下段がほぼ何も見えなくなってからなのですが、それでもやっぱり悲しかった。

 

○紅葉でも銀杏でもない街路樹に みつけたみつけた、わたしだけの秋

…ひとり暮らしのころじゃなくて、最近の話なのですが。スーパーに行く途中、公園の木々がそれぞれ色を変えてることに気がついた。紅葉や銀杏の見頃はまだ先かな?去年の同期旅行が懐かしい。今年も紅葉狩りドライブに行きたいなあ。

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前回の改作

○6時前 重いヒールこつ、こつと 黙って見ているいつもの朝日

6時前 重いヒールこつ、こつと しずかに登るいつもの朝日

…わたしが朝日を「黙って見ている」のか、朝日がわたしを「黙って見ている」のかが曖昧だなあと思ったので、朝日が主語だとわかりやすいように表現を変更。

 

○下戸だからバイト上がりの一杯は 桃ヨーグルジー百四十円

 →そのまま

 

○最寄駅つくと微笑むおかえりと ケンタッキーフライドチキン

→最寄駅あかく微笑む「おかえり」と ケンタッキーフライドチキン

…「最寄駅」「おかえり」で帰ってきたのは伝わるから「つくと」を削り、赤く点っている光の感じを入れてみた。でもむしろ、KFCというだけで赤いのは伝わるから余計だったか?でも「つくと」だと上の句が平凡すぎるような気もするのでとりあえず「あかく」に変更してみる。

 

推敲してるとボキャブラリーがあんまりないことに気がつきます。プロの人はすげえ。

短歌を作るぞ~って意識してたら自然にそのうち増えていくかしら。(・◇・)