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とうふのホルモン

ホルモンのままに。主成分はエッセイ。

【誰よりも熱い感想】「ジブリの大博覧会」に行ってきた!(1/3)ジブリだからこそできる、「宣伝」の軌跡がすごい。

7月某日、東京に出かけるついでに六本木まで足を伸ばして「ジブリの大博覧会」に行ってきた。

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www.roppongihills.com

 

何を隠そう、わたしはジブリオタクだ。金曜ロードショーは本気で毎週ジブリでいいと思っているし、誕生日に(いっそ誕生日じゃなくても)ほしいもの圧倒的No.1は例のDVDセットだ。マイベストの「ハウルの動く城」は3回映画館に通った。思い出のマーニー×種田陽平展は時間のあった学生時代だけれど、東京から地元に帰るのに遠回りして新潟に立ち寄り見に行った。

 

語弊を恐れずに言うと、わたしは、そもそも、ジブリ作品こそがアニメーションの真髄だと思っている。実写でもなく絵画でもなくあるいは文学でもなく、アニメーションという手段だからこそ伝わるもの、それを描き抜いているからだ。雑多な余計なもののためではなくて、作品として伝えたいものを伝えるために作られた、数少ないもののうちの1つと思うからだ。

 

さて、今回の「ジブリの大博覧会」は、ジブリの作品それ自体の制作ではなくて、「宣伝」に焦点を当てている。

これまでのジブリ作品がどのように世に出ていったのか、さまざまな試行錯誤から生み出された宣伝の軌跡を、膨大な未公開資料とともに読み解きます。それぞれの作品の公開当時が鮮やかに蘇る、ジブリのもう一つの物語です。

 

「宣伝」というのにどちらかといえば嫌悪感を抱いてしまうという人は少なくないと思う。「宣伝」には、どうしたって、お金の臭いが付きまとうからだ。

今回の「博覧会」にも、どうしたってお金の臭いはぷんぷんした。だって、ジブリが好きな私たちは、どうしたってそんなの見たくなる。例え中身がなかったとしても、「ジブリの大博覧会」っていうだけで、「見なくちゃいけんだろう」って気になってしまうじゃないか。。。!

だから正直言って、「宣伝広告物をメインに展示している」と言って、別に広告物をすごく見たかったかというとそうではないけど、お金の臭いがしてしまうなあとは思いつつ、それでも「ジブリだから」なんとなく何かを期待して見に行ってしまった。

それでも、やっぱりすんごくよかったんです。ただただ人を集めてお金を儲けるために、ジブリの宣伝広告物を使っていたわけでは、なかった!それを、「ジブリだから」なんて一言で片付けるのは悔しいので、書いてみている次第です。

 

 

さて、無邪気にただただジブリを好きだったときには思いもよらなかったことだけど、映画を、特にアニメーションをつくることには、当然ながら膨大な労力と時間と、そして、お金がかかる。作品としてこだわり抜き「よい」ものを生み出そうと思えば、なおのこと。

お金は、映画をつくり働く人たちの命にかかわるものだ。映画をつくって、その映画でお金を儲けることができなければ、そのすばらしい映画をつくることができる人が食べられなくなってしまうので、すなわち継続的につくり続けることはできなくなってしまう。「いい」ものを作ることは、けっして、お金と無関係ではいられないのだ。

そしていくら「いい」ものを生み出したとしても、映画という特性上、当然ながら、それを【見ない限りは】、その「よさ」は届かない。すなわち、見る前からなんとなく「これはいいものかもしれない」「見てみたいな」と思わせなければ、収益は得られないのだ。

 

宮崎駿さんもそろそろ終わりだね。興行成績がどんどん下がっているじゃない」

鈴木敏夫さんは、「魔女の宅急便」の製作中、東映の責任者から言われたこの一言で、「映画というのはいい作品を作るだけではダメなんだ」ということを知ったという。

 

作品のよさを、届けたい人にきちんと届けられるよう、その人に「見てみたい」という気持ちを喚起させる。そしてつくるために必要だったお金をしっかり回収し、さらに次の作品につなげる。

 

だから映画には、どうしたって、「宣伝」が不可欠だ。

 

残念ながら、映画という莫大なお金の動くアートにおいては、この作品とお金の、あるいは作品と宣伝の主従関係が逆転してしまうことはままある。お金を儲けるために作品を作る。肝心かなめの部分に、宣伝のための選択がなされてしまう。「本来」ならば、いいものをつくるため、そしてその作品の「よさ」をしかるべき人に届けるためにこそ、「宣伝」はあるはずなのに、とわたしは思う(と同時に、その「本来~はず」の根拠ってなんなのか、しっかりわかっているわけではないのだけれど)。

 

その点、ジブリは違う。「いい作品を作るだけではダメ」なんだけど、だけど、だからといって、けっして「いい作品」を作ることは諦めてはいない。いい作品をつくる。そして、そのうえで、その作品をその作品として味わってもらうためには、どうしたらいいのかを考え抜く。

 

ジブリの大博覧会」は、「ナウシカ」から「マーニー」まで、ジブリ作品とともにあったポスター、チラシ、新聞広告など広告宣伝物と、それらの宣伝物ができるまでの足跡としての制作資料やFAXでのやりとりなどを所狭しと展示している。

 

これまでのジブリ作品がどのように世に出ていったのか、さまざまな試行錯誤から生み出された宣伝の軌跡を、膨大な未公開資料とともに読み解きます。それぞれの作品の公開当時が鮮やかに蘇る、ジブリのもう一つの物語です。

 

作品を、1枚のポスター・1言のキャッチコピーに、どうやって表現するか。

この作品の、本質はどこにあるのか。

その試行錯誤があるからこそ、「宣伝」は、ジブリのもうひとつの物語たりえるのだ。

 

 

★続き

chi-cooks-everyday.hatenablog.com

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